Last Letter~手紙がくれた想い~
それから1週間後
「兄ちゃん宛に届いてるよ」
珍しく智樹が新聞を取りに行った日だった。
新聞の上に茶色の封筒を置いた智樹。
俺はすぐにその封筒に触れようとはしなかった。
だって今までの悠香から手紙の封筒は真っ白だった。
なのに今回は茶色
でも字は女っぽくて、悠香の字と少し似ていた。
もしかしたら…真っ白の封筒がきれたのかもしれない。
いや…悠香じゃない、違う人からの手紙かもしれない。
さっさと開ければいいのに、
なぜか踏みとどまっている俺がいて。
「兄ちゃん、これ教えて」
手紙と睨み合いを始めて10分
そろそろ決着を着けようと思い、封筒に手を伸ばしかけたところへ智樹がやって来る。
「ん?どうした??」
俺はソファから乗り出していた体をもとの位置に戻す。
「宿題なんだけど…ここ、分かんないんだ。
俺の出した答えと、答えの冊子と違う答えになって。
何回やっても同じにならないんだ。」
俺は智樹から問題を受け取り自分で解く。
と、言っても所詮小学生の算数
2分もしないうちに解き終わる。
「これ、答え間違ってる。智樹があってるよ。
明日、先生に教えてやれ」
智樹は表情1つ変えずまた宿題を再開。
普通…小学生なら俺があってただろ!
とか、喜ぶもんじゃねぇの??
智樹って本当に…小学生か?