Last Letter~手紙がくれた想い~
「長瀬さん、やりますよ、よろこんで!」
実は言うと、言おうと思ってた。
『病院でライブ、やらせてください』
って。
悠香の喜んだ顔が見たくて。
他の患者さんにも元気をわけてあげたくて。
まさか長瀬さんのほうから言われるとは思ってなかったけど。
『ホントに?!いいの?!
ありがとー!大樹くん!!』
長瀬さんは現役の女子高生のように飛び跳ねて喜んで。
俺より年上なクセに、なぜか年下に見えた。
「これはボランティアってことでお願いします。
俺からの条件はそれだけです。」
これを言わないと気が済まなかった俺。
ボランティアなんて柄じゃない気がするけど
そんなことは言ってられない。
『え?!そんな…でも…』
「いいんです、長瀬さん!
気にしないでくださいよ?」
長瀬さんの言葉を遮る。
軽く、強行突破。
そうでもしないと長瀬さんは何か言ってきそうだったから。