Last Letter~手紙がくれた想い~






俺たちがステージに上がると目の前にはたくさんの人

点滴のスタンドを持っている人や
車いす、松葉杖の人


そして看護士さんや一般の人もいる。


いつも制服ばかりの客席で歌い慣れているせいか妙に緊張する。



「初めまして!!

Black Knifeです!
今日は俺たちのためにこんなにも集まっていただき、ありがとうございます!

では…1曲目

『ヒツゼン』です。」


大きく息を吸い込んで腕をおろす。



『ボクたちが出逢う確率なんて
ゼロに近いんだ

それなのにボクたちは出逢えた

運命とも奇跡とも言えない


きっとヒツゼンなんだ


キミにここで逢えたのも

想い合えたのも


全部ヒツゼンなんだ…』


1曲目を歌い終わると同時に俺たちはたくさんの拍手をうけた。


4人で顔を見合わせニヤッと笑う。



「えー1曲目を終わったところで自己紹介したいと思います」


お客さんを見渡すと見慣れた顔がある。



春樹、智樹、村瀬

あと、長瀬さん。



それに悠香がいた。





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