Last Letter~手紙がくれた想い~
タジタジの俺
でも…仕方ない。
だって告白なんて初めてで。
長距離マラソンが終わったあとのような心臓と、
人前で転んだときのような汗と、
震える手。
これをどう処理していいか分からなくて。
とにかく、この緊張がどうしようもなかった。
そして目の前にいる彼女。
さっきから微動だもしなくて。
「ゆ…悠香??」
あまりにも動かないから俺は思いきって悠香の顔を覗き込む。
そうすると絡み合う視線
ドクドクと波打つ心臓の音は
悠香のものなのか俺のものなのか分からなかった。
『だ…大樹くん?』
気づいたときには悠香は俺の腕の中。
「ごめん…でも俺、悠香が好きなんだ。
あの歌も悠香のために書いた。
いつか、お前に聴かせてやりたくて…
まさかこんな早く聴いてもらえるなんて思ってなかったけど」
ギュッと悠香を抱きしめる。
未だに震えている手が、恥ずかしかった。