Last Letter~手紙がくれた想い~
双眼鏡
「さすが、大樹の弟だけあるな。
ギターのセンスがいいなんてさ。」
弘斗がスキップしながら廊下を進む。
「別に俺の弟だから、とか関係ねぇよ。
アイツら2人がすごいだけ。」
自分の席に座った俺は机に伏せる。
「お前、それ以外になんかいいことあった?」
頭の上から弘斗の声。
いいこと……?
「別になんもなかったけど?」
いいことなんて何もなかった…と、思う。
「ウソだぁ~
女でもできたんだろ??」
ニヤニヤ笑う弘斗。
女??
「バカじゃねぇーの?
できるワケねぇだろ??」
まず、俺はモテないからな。
それに好きなヤツだっていないし。
「俺にウソつくとは10年早い!!
絶対、お前女できたんだろ??」
弘斗、さっきからてめぇは声デカイんだよ。
クラス中からの視線が痛いだろ?