Last Letter~手紙がくれた想い~
Side 悠香
【Side 悠香】
大樹くん…
大樹くん…
あと少し、
あと少しで大樹くんに届きそうなのに。
「………大樹くんっ」
それなのにあなたはだんだん遠くへ行ってしまう。
あたしの方なんて見向きもせず
あなたは闇の中へ消えて行った。
気づくと涙が頬をつたっていた。
もう、逢えない
直感でそう感じたから。
哀しくて、悲しくて
大樹くんが歩いた場所をあたしは懸命に走った。
この道を行けば、大樹くんに会えるかもしれない
追いつくかもしれない…
でも、あの大きな背中はいつになっても現れない。
ただただ長く
ただただ暗い
果てしなく続く道
大樹くんの匂いも
気配も感じられない。