Last Letter~手紙がくれた想い~





「おい、母さん。

自分の部屋で寝ろよ」


俺がリビングへ降りて行くとソファで酒に潰れた母さんが寝ていた。

こんなのは日常茶飯事だ。



『………あんたは相変わらずうるさいわね』

起き上った母さんはこめかみを押さえながら自室へと入って行った。


母さんは夜の仕事をしている。

だから、俺がいつもリビングへ行くとソファで潰れているんだ。



「はよ、兄ちゃん」

欠伸交じりに智樹が言う。



「おはよ」

俺は短く返事をしてキッチンへ行く。




「はぁ~」


冷蔵庫の中身を見て溜め息をつく。

だって、中にはミネラルウォーターとジュースしかはいってなかったんだから。



これもまた、いつものこと。

母さんは買い物には行かない。


昼間は寝て、夕方に家を出て職場へ行く。

だから家事全般、俺がやるんだ。




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