Last Letter~手紙がくれた想い~
その双眼鏡を顔の前に持ってきたあなた。
スケッチブックの1枚目には
『あたしの名前、悠香』
と、書いてある。
他にも書きたいことはたくさんあった。
だけど、スケッチブック1枚にそんなにも書ききれない。
だからせめて、名前だけでもって思ってた。
そうするとあなたは手を上に持ってきて大きな丸をつくった。
きっと
「分かったよ」
ってことだと思う。
それを読みとったあたしは次のページを見せる。
『よろしくね!!』
たった一言だけ、そう書いた。
そうするとあなたはまた同じく丸を作った。
それからすぐに部屋に戻ってしまったけど、
あたしの胸のドキドキは継続中。
あなたの顔が忘れられなくて、
勝手に声とか性格を想像して、
いつか逢えることを楽しみにしてたんだ。