Last Letter~手紙がくれた想い~
「失礼しまーす」
春樹を取り囲むカーテンを弘斗が遠慮がちに開ける。
「あ…弘斗くん」
智樹が弘斗にイスを勧める。
「智樹、お前は偉いな。
ずっと春樹の傍にいてさ。
それに比べて、この兄ちゃんは…」
弘斗は俺をチラ見。
やっぱり弘斗をここに連れてくるんじゃなかった…
「春樹…大丈夫か?」
弘斗が春樹の額に浮かぶ汗を拭く。
相変わらず春樹の息づかいは荒くて…
「俺、なんか買いに行ってくるな。」
この場を弘斗に任せて俺は売店に行く。
『あれ…?キミもしかして、この間の…??』
飲み物を買って春樹のところに戻ろうとした途中、後ろから声をかけられた。
俺は振り向くが、誰だか思い出せない。
『あれ?忘れちゃった??
キミ、悠香ちゃんに手紙届けにきたでしょ?
そのとき、手紙受け取ったの私よ!』
……………あっ!!
あの看護士さんか。