Last Letter~手紙がくれた想い~





「失礼しまーす」


春樹を取り囲むカーテンを弘斗が遠慮がちに開ける。



「あ…弘斗くん」


智樹が弘斗にイスを勧める。



「智樹、お前は偉いな。

ずっと春樹の傍にいてさ。


それに比べて、この兄ちゃんは…」

弘斗は俺をチラ見。


やっぱり弘斗をここに連れてくるんじゃなかった…



「春樹…大丈夫か?」


弘斗が春樹の額に浮かぶ汗を拭く。


相変わらず春樹の息づかいは荒くて…



「俺、なんか買いに行ってくるな。」


この場を弘斗に任せて俺は売店に行く。




『あれ…?キミもしかして、この間の…??』

飲み物を買って春樹のところに戻ろうとした途中、後ろから声をかけられた。



俺は振り向くが、誰だか思い出せない。



『あれ?忘れちゃった??

キミ、悠香ちゃんに手紙届けにきたでしょ?

そのとき、手紙受け取ったの私よ!』



……………あっ!!


あの看護士さんか。






< 73 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop