死神喫茶店
でも、河田さんはゾンビ解体屋だ。


そんな人と友達が付き合うなんて、残念だけれど賛成することはできなかった。


「河田さん、せっかく楓がいるんで開店準備を手伝ってもらってもいいですか?」


開店まで1人で外で待たせるわけにもいかないし、店内でぼーっとしていられても邪魔になるので、あたしはそう聞いた。


「ん、あぁ。いいよ」


河田さんは我に返った様子で楓からあたしへと視線をうつし、頷いた。


その頬は少し赤らんでいて、再び楓へと視線を向ける。


河田さんの行動に驚きあたしは目を見開いた。


「モコ、どうしたの?」


楓が不思議そうな顔でそう聞いてくる。


「え、いや。なんでもないよ」


慌ててそう言い、楓と一緒に開店準備を始めたのだった。
< 103 / 193 >

この作品をシェア

pagetop