死神喫茶店
☆☆☆
『ロマン』がオープンしても河田さんはカウンター内にいた。
いつもなら解体部屋へ移動している時間なので、カウンター内が窮屈に感じられる。
「コーヒー豆を取ってきます」
あたしはそう言い、河田さんを押しのけるようにして隠し扉を開けた。
それを見て楓が歓声を上げる。
すると河田さんが自慢そうに「珍しいでしょ、隠し扉のある喫茶店なんて」と、楓に話しかけた。
その光景に軽く肩をすくめて、あたしは解体部屋へと移動した。
今日はこちらの『お客様』も少ないのか、外に誰もいない様子だった。
あたしは手早くコーヒー豆を取り、扉に手をかけた。
が、ふと思いとどまってその場に立ち尽くす。
楓と河田さん。
誰がどう見てもお互いに一目ぼれをしていて、いい雰囲気だ。
ここであたしが『ロマン』に戻ったら邪魔なんじゃないだろうか……。
そんな気持ちになる。
楓と河田さんが付き合い始めるのはあたしからすれば正直気まずいのだけれど、邪魔するつもりもなかった。
しばらくその場で困っていたあたしだが、モニターを見ているとお客さんが入って来るのがわかってすぐに『ロマン』へと戻った。
『ロマン』がオープンしても河田さんはカウンター内にいた。
いつもなら解体部屋へ移動している時間なので、カウンター内が窮屈に感じられる。
「コーヒー豆を取ってきます」
あたしはそう言い、河田さんを押しのけるようにして隠し扉を開けた。
それを見て楓が歓声を上げる。
すると河田さんが自慢そうに「珍しいでしょ、隠し扉のある喫茶店なんて」と、楓に話しかけた。
その光景に軽く肩をすくめて、あたしは解体部屋へと移動した。
今日はこちらの『お客様』も少ないのか、外に誰もいない様子だった。
あたしは手早くコーヒー豆を取り、扉に手をかけた。
が、ふと思いとどまってその場に立ち尽くす。
楓と河田さん。
誰がどう見てもお互いに一目ぼれをしていて、いい雰囲気だ。
ここであたしが『ロマン』に戻ったら邪魔なんじゃないだろうか……。
そんな気持ちになる。
楓と河田さんが付き合い始めるのはあたしからすれば正直気まずいのだけれど、邪魔するつもりもなかった。
しばらくその場で困っていたあたしだが、モニターを見ているとお客さんが入って来るのがわかってすぐに『ロマン』へと戻った。