死神喫茶店
おとぎ話の中に出てきそうなメルヘンなエプロンに笑いが止まらない。


「モコのは違うの?」


「あたしのはこれだから」


そう言ってフリルのついていないシンプルなエプロンを見せると、楓は顔を赤くした。


さすがに恥ずかしいみたいだ。


「河田さん、買ってくるエプロンを間違えたのかなぁ」


楓が呟く。


しかし、楓にフリルのついたエプロンはとてもよく似合っていて、河田さんの趣味であることがすぐにわかった。


「そうかもね?」


あたしは適当に返事をして、楓に仕事内容を教え始めたのだった。
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