死神喫茶店
よい結果に
気が付けばあたしは暗い部屋の中、自分のベッドで横になっていた。


混乱してキョロキョロと周囲を見回す。


すると2階へと上がって来る足音が聞こえてきて、部屋のドアをノックした。


「モコ、起きた?」


お母さんの声だ。


「今、起きた」


まだ混乱しながらもベッドに上半身を起こす。


しかし、体中が痛くて立ち上がることができない。


「入るわよ」


そう言って部屋に入り、電気をつけるお母さん。


そのまぶしさに目を細めた。


「お母さんあたし……」


「『ロマン』で倒れるようにして眠ってしまったみたいよ? 河田さんが車で家まで送ってきてくれたんだから」


そう言われて、あたしはようやく思い出した。


そうだった。


今日は解体の仕事を5時間かけて3人もやったんだ。


終わった時にはへとへとで、シャワーを浴びて解体部屋のソファに座ったところまでは覚えている。


どうやらそのまま寝入ってしまったみたいだ。


「そうだったんだ。河田さんにお礼しなきゃ……」


「そうね。トラックだったから自転車も運んできてくれているし、いつ見てもカッコいいし」


お母さんはそう言ってニコッと笑った。
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