死神喫茶店
☆☆☆
『ロマン』への道のりで、あたしは必要な分だけ貯金できたからバイトを辞めるのだと言う話を、ずっと楓に聞かせていた。
楓は最初の内は疑うような事を言っていたが、次第に口数は少なくなり最後には「わかった」とだけ、返事をした。
楓を騙しているようで申し訳ない気持ちになったが、あたしのグチャグチャになった気持ちが原因だなんて、絶対に言えることじゃなかった。
そうこうしている間に見慣れた『ロマン』の前までやって来た。
時間は開店15分前で、ちょうどいいくらいだ。
あたしと楓は隣同士に自転車を置いて『ロマン』の扉を開けた。
「おはようございます」
『ロマン』のお客さん側の椅子に座って新聞を読んでいた河田さんへ声をかける。
「あぁ、2人ともおはよう」
河田さんは新聞をたたみ、立ち上がった。
「楓ちゃん、そろそろ指示なしで開店準備をやってみてよ」
河田さんにそう言われ、一瞬緊張したような雰囲気が楓から伝わってきた。
「はい、頑張ります」
緊張しながらも楓は力強くそう言った。
その様子にあたしは安心しながらも、少しだけ寂しい気持ちだった。
『ロマン』への道のりで、あたしは必要な分だけ貯金できたからバイトを辞めるのだと言う話を、ずっと楓に聞かせていた。
楓は最初の内は疑うような事を言っていたが、次第に口数は少なくなり最後には「わかった」とだけ、返事をした。
楓を騙しているようで申し訳ない気持ちになったが、あたしのグチャグチャになった気持ちが原因だなんて、絶対に言えることじゃなかった。
そうこうしている間に見慣れた『ロマン』の前までやって来た。
時間は開店15分前で、ちょうどいいくらいだ。
あたしと楓は隣同士に自転車を置いて『ロマン』の扉を開けた。
「おはようございます」
『ロマン』のお客さん側の椅子に座って新聞を読んでいた河田さんへ声をかける。
「あぁ、2人ともおはよう」
河田さんは新聞をたたみ、立ち上がった。
「楓ちゃん、そろそろ指示なしで開店準備をやってみてよ」
河田さんにそう言われ、一瞬緊張したような雰囲気が楓から伝わってきた。
「はい、頑張ります」
緊張しながらも楓は力強くそう言った。
その様子にあたしは安心しながらも、少しだけ寂しい気持ちだった。