死神喫茶店
「嘘でしょ……?」


涙で目の前が滲んでいた。


驚きとショックで思考回路は全くついていかないのに、涙腺だけは反応している。


「本当の事なんだよ。腐敗が始まってきて、もうそろそろダメかなって思ったんだけど、最期にクラスメートたちの顔を見たくて今日も登校してきたの」


夢羽がとても穏やかな口調でそう言った。


あたしが2人の邪魔をしていた時も、2人はすでに死んでいたのだ。


だから夢羽は笑顔を絶やさず、嫌な顔もしなかったんだ。


だって、邪魔をしようにもすでに手の届かない場所に2人はいたのだから……!


「ごめんモコ。俺、お前の気持ちも知ってたよ」


瑠衣の言葉が、空しくあたしの鼓膜を揺らしたのだった。
< 165 / 193 >

この作品をシェア

pagetop