死神喫茶店
「ごめんねモコ、あたしには昔から許嫁がいるの」
夢羽の声であたしは視線を上げた。
夢羽は今にも泣きそうな顔をしているが、それは自分たちの運命のためではなく、あたしに申し訳ない事をしてしまったからだと言う事が、理解できた。
「あたしは元々瑠衣を好きになっちゃいけなかった。好きになるべきじゃなかった。
それなのに気持ちが止められなくて、こんな事になったの」
夢羽は胸の前で両手を握りしめた。
まるで祈るような格好だ。
「あたしが自分の気持ちさえ我慢していれば、今頃瑠衣とモコが幸せになっていたかもしれないのに」
「俺は後悔していない」
夢羽の言葉を遮るように、強い口調で瑠衣が言った。
瑠衣は夢羽の肩に手を置き少し怒ったように夢羽を見ている。
それだけで、2人の絆の深さがにじみ出ている。
あたしは溢れ出しそうな切ない気持ちを胸の奥へと押し込んで、再びスマホに視線を落とした。
河田さんが来てくれれば、何か打つ手があるかもしれないのに……!
そう思っていると、『ロマン』の中からゴトゴトという物音が聞こえてきて、あたしはそちらへ視線を向けた。
夢羽の声であたしは視線を上げた。
夢羽は今にも泣きそうな顔をしているが、それは自分たちの運命のためではなく、あたしに申し訳ない事をしてしまったからだと言う事が、理解できた。
「あたしは元々瑠衣を好きになっちゃいけなかった。好きになるべきじゃなかった。
それなのに気持ちが止められなくて、こんな事になったの」
夢羽は胸の前で両手を握りしめた。
まるで祈るような格好だ。
「あたしが自分の気持ちさえ我慢していれば、今頃瑠衣とモコが幸せになっていたかもしれないのに」
「俺は後悔していない」
夢羽の言葉を遮るように、強い口調で瑠衣が言った。
瑠衣は夢羽の肩に手を置き少し怒ったように夢羽を見ている。
それだけで、2人の絆の深さがにじみ出ている。
あたしは溢れ出しそうな切ない気持ちを胸の奥へと押し込んで、再びスマホに視線を落とした。
河田さんが来てくれれば、何か打つ手があるかもしれないのに……!
そう思っていると、『ロマン』の中からゴトゴトという物音が聞こえてきて、あたしはそちらへ視線を向けた。