死神喫茶店
2人は河田さんにとって『お客様』なのだ。


解体して成仏させるべき存在……。


あたしはグッと拳を握りしめた。


「瑠衣、夢羽。もう行こう」


あたしは2人の手を掴み、出口へと向かう。


「行くって、どこへ?」


瑠衣が足を止めてそう聞いて来た。


「学校に戻ろう」


「どうして?」


今度は夢羽がそう聞く。


「どうしてって、まだ授業中じゃない」


振り返り、そう返事をする。


しかし、次の瞬間言葉を失った。


2人の腐敗は急激に進んでいるのだ。


今朝はまだ手の甲が青くなっていたり顔色が悪かったりしただけなのに、その顔は黒く変色し始めていた。


「もう、戻れないよ」


瑠衣が優しくほほ笑みながらそう言った。


「どうして……? 魂が強ければ10年は腐敗が進まないんでしょう!?」
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