死神喫茶店
瑠衣の両手両足を切断したあたしは、のこぎりを瑠衣の首に当てた。


涙を流すつもりなんてなかったのに、涙は自然と流れて瑠衣の頬に落ちていた。


「モコ……どうした?」


「だ、大丈夫だよ!」


あたしは大きな声でそう答えた。


瑠衣は心配しながらも、もう目を開けない。


「夢羽はねあたしの大好きな友達だよ。夢羽はきっと瑠衣を待ってると思うんだ。だから早く……」


早く、行ってあげないとね。


その言葉を言う前に、あたしは瑠衣の首を切り落とした。


瑠衣の体からフッと生気が抜けていくのがわかった。


「る……い……」


あたしはのこぎりを持ったままその場に立ち尽くす。


「瑠衣……瑠衣!!」


分かっていたことだったのに。


どうしてこんなに辛いんだろう。


あたしは涙をこぼさないように天井見上げた。


河田さんの作ったシャンデリアが目に入る。


好きな人を楽にしてあげる事が、どうしてこんなに苦しいんだろう……。
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