死神喫茶店
この世の流れ
生まれて来た生き物たちは必ず死ぬ。


『ロマン』から1人で学校へ戻ってきたあたしは、机に座ってぼんやりと瑠衣と夢羽の机を見つめていた。


随分時間が経過したように感じていたけれど、『ロマン』を出た時まだ午後の授業が始まる前だったのだ。


いつの間にかあたしは解体という仕事に慣れてきていた。


手際もよくなり、『お客様』を不安にさせることもない。


2人はとても穏やかな眠りについて、そして消えて行ったのだ。


「モコ、どうしたの?」


ぼんやりとしているあたしを心配して、隣の席の子が声をかけて来た。


いつも一緒にいるほど仲が良いワケじゃないけれど、隣同士なのでおしゃべりをよくする子だ。


あたしは「ちょっと、疲れちゃって」と、ほほ笑んだ。


「瑠衣君と夢羽ちゃんは戻ってこないし、なにかあった?」


そう聞かれて、あたしは夢羽の爪で作ったブレスレッドに視線を落とした。
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