死神喫茶店
あたしは返事ができなかった。


今、わかった。


ここまで来て、ようやくわかった。


河田さんがあたしに解体の仕事を教えた、一番の理由が……。


あたしは拳を握りしめて、床を睨み付けた。


知りたくなかった。


聞きたくなかった。


「楓ちゃん1人で休みのない『ロマン』を続けるのは難しい。


だから、モコちゃんが一番信用している人物にアルバイトを頼めばいい。


モコちゃん1人で解体の仕事をすべてこなすことも難しい。


だから、モコちゃんが二番目に信用している人物に仕事をわければいい」


河田さんの言葉に、頭の中に舞美と冬の顔が思い浮かんでいた。


同時に、涙が頬を伝って流れていった。


「モコちゃん。次の『お客様』は、この俺だよ……」


河田さんの声が、頭の中で何度も鳴り響いていたのだった……。
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