死神喫茶店
☆☆☆

それから数週間後。


あたしと楓は相変わらず『ロマン』にいた。


あたしは3人の解体を終えて楓に淹れてもらったコーヒーを飲んでいた。


「おいしい……」


「よかった」


楓がホッとしたように笑う。


疲れている時に少し甘いコーヒーを飲むと、体の芯から元気がわき出て来るような気がする。


だけど、今日はまだまだ『お客様』が待っているから、のんびりと休憩している暇もない。


あたしはコーヒーを飲みほして立ち上がった。


「もう仕事再開?」


「うん。今日はちょっと忙しくて」


そう返事をした時、『ロマン』の入り口が開いて見慣れた2人組が入ってきた。


舞美と冬だ。


あたしは河田さんに言われた通り、信用できる2人に『ロマン』の事を話していた。


亡くなった春君に助けられている冬は、解体の仕事を二つ返事で受けてくれたのだ。
< 192 / 193 >

この作品をシェア

pagetop