死神喫茶店
☆☆☆

1人の『お客様』を解体するのにかかる時間は10分から20分程度。


今日は時間があるからのこぎりを使っているけれど、昨日は『お客様』が多かったため電気のこぎりを使っていたそうだ。


両手足を切断されたさっきの『お客様』はとても眠そうな顔をしている。


体がバラバラになることで、徐々に魂が体から抜けていっている状態だ。


「もうすぐで終わりますからね」


河田さんの声にも軽く頷くだけで、すでに声は出ない様子だ。


河田さんは『お客様』の腹部に鋭利な刃物を突き立て、それで一気に皮膚を引き裂いた。


腹部からはドロッとした紫色の血液が流れ出し、吐き気を感じさせる匂いが充満する。


「モコちゃん。気分が悪くなるからここにいない方がいい」


「……わかってます」


あたしはそう返事をするだけで、その場から動かずにいた。


人の体から魂が抜ける瞬間を見てみたいと思った。


河田さんはチラリとあたしを見て、すぐに作業を再開させた。


腹部に手を突っ込み、中の臓器をかきだす。
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