死神喫茶店
でも、今日は違った。


この前瑠衣と夢羽が一緒にいるところを見てから、あたしは自分の服を買うと決めていたのだ。


瑠衣が夢羽の様な子が好きなら、夢羽を連想させるような柔らかな服を買おう。


そうすれば、瑠衣は少しでもあたしの方を見てくれるかもしれないから。


勝てるわけがないと思いながらも、何も努力せずに終わるのは嫌だった。


負けるなら、やるだけやって負けよう。


そうすれば潔く諦める事もできそうだった。


そう思ったとき、外で物音が聞こえて来た。


『お客様』が来たのかもしれない。


あたしは立ちあがり、前の『お客様』の片づけを始めた。


ザッとても綺麗にしておけば、次の『お客様』を待たせる時間が短縮される。
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