死神喫茶店
好きな人
この日の『ロマン』の客数は10人だった。
珍しく家族連れのお客さんが来て、一気に客数が増えたのだ。
と言っても、偶然この道を通って偶然『ロマン』が目に入った程度のお客さんだから、リピートして来てくれるかどうかはわからなかった。
普段よりも少しだけ賑やかだった『ロマン』を閉店させて解体部屋へ移動すると、ぐったりした様子でソファに座っている河田さんが目に入った。
解体の『お客様』は今日も多かったようで、片づけがまだできておらず血の臭いが充満している。
「河田さんお疲れまさです」
ボーっとして天井を見ている河田さんに声をかけて、その隣に座った。
河田さんと同じように視線を天井へ向けてみると、ちょうどシャンデリアが視界に入った。
綺麗に手入れされている骨のシャンデリア。
ホコリが1つも見当たらない。
それは河田さんは日ごろからこのシャンデリアを気にかけているからだった。
「このシャンデリアの『お客様』はどんな人だったんですか?」
あたしはシャンデリアに視線をやったまま河田さんに聞いた。
珍しく家族連れのお客さんが来て、一気に客数が増えたのだ。
と言っても、偶然この道を通って偶然『ロマン』が目に入った程度のお客さんだから、リピートして来てくれるかどうかはわからなかった。
普段よりも少しだけ賑やかだった『ロマン』を閉店させて解体部屋へ移動すると、ぐったりした様子でソファに座っている河田さんが目に入った。
解体の『お客様』は今日も多かったようで、片づけがまだできておらず血の臭いが充満している。
「河田さんお疲れまさです」
ボーっとして天井を見ている河田さんに声をかけて、その隣に座った。
河田さんと同じように視線を天井へ向けてみると、ちょうどシャンデリアが視界に入った。
綺麗に手入れされている骨のシャンデリア。
ホコリが1つも見当たらない。
それは河田さんは日ごろからこのシャンデリアを気にかけているからだった。
「このシャンデリアの『お客様』はどんな人だったんですか?」
あたしはシャンデリアに視線をやったまま河田さんに聞いた。