死神喫茶店
「2人で登校して来るなんて珍しいね」


「さっき、偶然バッタリ会ったんだ」


瑠衣が何の躊躇もなくそう返事をする。


この前『ロマン』に2人できた時と全く同じ内容だ。


本当なのかもしれないが、嘘かもしれない。


瑠衣の表情からそれを読みとることができなくて、あたしは心の中で歯ぎしりをした。


仮に瑠衣が嘘をついているのだとしたら、2人で登校してきたことを秘密にしておきたいと言う事だ。


わざわざ秘密にする理由は……?


2人が、付き合っているから……。


あたしは笑顔を浮かべたまま、2人の間に割って入った。


「昨日のテレビ見た?」


夢羽に背中を向け、瑠衣に聞く。


「見た見た! 衝撃映像のやつだろ?」


「そうそう、すごかったよね!」


本当は衝撃映像なんて見ていないけれど、あたしは瑠衣に会話を合わせた。


よほどテレビが面白かったのか、瑠衣は1人でテレビの内容を話し始める。


あたしは相槌を打ちながらそれを聞く。
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