死神喫茶店
しかし、こうしてバイト後に河田さんと会話をする機会なんてめったにないので、あたしは2人分のコーヒーを入れた。


河田さんと並んでお客さん側のカウンターに座る。


こうして2人でコーヒーを飲むなんて、なんだか妙な気分だ。


新鮮だけど、少しだけ居心地の悪さを感じる。


会話の内容が少年の事だとわかっているからかもしれない。


「話って……なんですか?」


なかなか会話を始めようとしない河田さんに代わり、あたしからそう聞いた。


「あぁ。さっきの少年……少年に見える男性と言った方がいいかな」


河田さんの言葉にあたしは首を傾げた。


さっきの少年はどう見ても少年だった。


「どういう意味ですか?」


「魂の力によって体の腐敗が防がれる場合があるんだ。さっきの少年が殺されたのは10年も前だと言う事がわかった」


「10年!?」


あたしは目を見開いて聞き返していた。


少年の見た目は12歳くらいだった。


だけどそれが10年前だとすれば、実際の年齢は22歳という事になる。


あたしよりも年上だったのだ。
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