死神喫茶店
確かにここ数日冬は学校を休んでいた。


それでもスマホで連絡は取っているし、風邪で休んでいる事を知っていたため、大して気にはしていなかったのだ。


「……冬の事、気になるの?」


そう聞くと、途端に舞美の頬が赤らんだ。


視線を空中に泳がせて質問の答えに困っている。


舞美が冬の事を気にしていることは前から知っていた。


そのことで相談を受けたこともあるし、友達から好きな人へ変わって行くのかもしれないと感じていた。


「好き……なのかも」


舞美は聞き取れないほど小さな声でそう言った。


あたしと楓は目を見合わせた。


「よかったじゃん!」


楓がそう言い、舞美に抱き着く。


あたしも楓と同じ気持ちだった。


舞美に好きな人ができれば恋の話も楽しくなる。


好きな人がいると毎日が楽しくて輝くし、素敵なことだ。


「よかった……のかな?」


舞美は恥ずかしそうにうつむいた。


「人を好きになることは素敵なことだよ。今日の放課後、冬にお見舞いに行ってみる?」


そう声をかけると、舞美は真っ赤な顔のままうなづいたのだった。
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