死神喫茶店
あたしはそこまで大人になれていないし、そこまで優しさを持てているわけでもない。


あたしがもっといろんな経験をしていて、もっと傷ついていれば、その分大人な態度をとることもできるのかもしれない。


だけど、今の状態で大人だと言えるのは、あたしではなく夢羽の方だった。


幼い頃から跡継ぎとして苦労している分、あたしが瑠衣との間に割って入ってきても、嫌な顔１つせずにほほ笑んでいる。


そのほほ笑みは嫌味なほどで、瑠衣と夢羽の間に割って入っても２人の絆を断ち切ることなんてできないと、すでにあたしは理解していた。


そうなれば、傷つくのはあたしだ……。


「みんなで幸せになるなんて、無理……」


あたしは小さく呟いたのだった。
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