死神喫茶店
双子
あたしは夢羽と瑠衣の間に割って入るのをやめた。


もしかしたら瑠衣を横取りできるかもしれないと思っていたけれど、瑠衣の心はあたしには向かない事がわかってしまった。


「モコ、大丈夫？」


いつもの元気が出ないあたしに楓が心配そうに声をかけて来た。


「大丈夫だよ」


あたしはそう返事をしてほほ笑む。


なんだか気が抜けてしまって、友達と騒ぐ気になれないのだ。


「今日は舞美も休みだし、なんだか寂しいね」


楓はそう言い、誰も座っていない舞美の席を見た。


今日舞美は風邪をひいて欠席している。


昨日冬のお見舞いに行ったときにうつったのだろうかと心配になったが、冬の熱は感染性ではないと思いだした。


「舞美も、ショックだったのかも」


あたしは昨日の冬の様子を思い出してそう言った。


眠っていたもののとても苦しそうだった冬。
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