死神喫茶店
少しだけ、涙が滲む。


あたしは本当に瑠衣の事が好きだった。


もうちょっとだけ早く自分から行動に移していれば、瑠衣と夢羽が仲良くなることもなかったかもしれない。


そんな後悔が押し寄せて来る。


起こってしまった出来事は変わらない。


誰かが悪いわけでもない。


だからこそ、自分自身の行動を後悔してしまう。


あたしは強く首をふり、涙をぬぐった。


あたしが泣いているのを河田さんがモニターで見ているかもしれない。


余計な心配はかけたくない。


あたしはコーヒーを飲みほして、解体部屋のドアを開けた。


「コーヒー豆の補充を……」


そう声をかけながらいつもの棚へ向かう。


その途中、横目でベッドの上に寝転がる男の子の顔が見えて、あたしは立ち止まった。
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