【短編】likeがloveになった夏
宮野がご機嫌で幹にぃに電話をしに行ったとき
俺は成瀬に食って掛かった。
「お前何で二人の邪魔しに行くんだよ」
「邪魔じゃないっての!
あんたのためなんだよ?!」
「はぁ!?俺の?
意味わかんねぇから」
「わかんなさいよ!
あのね、二人は結婚しちゃうんだよ?
そしたら今までみたく、普通に佐倉先輩いないときに遊ぶとかできなくなるんだよ?
これは思い出作りなんだからね!」
成瀬は顔を真っ赤にして、力説した。
…俺のため?
こいつが、俺のために?
「…ハッ…ははっ」
「何で笑うのよ!?」
「悪い…。嬉しかったんだよ。
でも、俺はあいつを忘れなきゃなんないんだよ。
だから気にすんな。
ま、行くっつった以上、キャンセルできねぇし?
俺らは俺らで楽しもーぜ」
俺は雨宮の頭を軽く叩いた。
雨宮はさっきより顔を赤くしていたけど
その理由は聞かなかった。
何か…聞けねぇじゃん。
こんな状況で…さ。