【短編】likeがloveになった夏
ただがむしゃらに走って
成瀬を探した。
「…いた…っ」
成瀬は植え込みの横にあるベンチに座っていた。
「成瀬!!」
「…雨宮」
「…おま…先輩は?」
「さっき断ったけど?
てか何であんた知ってんのよ」
「断ったの?」
「…え…うん。言ったじゃん」
「よかっ…たぁ…」
俺は安心して、成瀬を抱き締めてしまった。
「えっ、ちょ、あま」
「ごめん!俺、なんか、コクられたとき、パニくっちゃって……。
でも…俺、お前のこと……好き…と思う……から」
俺、今凄いダサい告白してる。
今まで、もっとかっこ良く……てゆうか、女のほうから告白してきてたのに。
「…許さないよ…。
わたし、かなり傷ついたんだから……でも」
「…でも…?」
「優花って……呼んでくれたら、許してやってもいい」
そう言って、上目で俺を見た成瀬は、凄く可愛いかった。
「優花…」