太陽と月の後継者
蓮は、浮遊魔法を使って外に出て滝の方へ飛んでいく。
その後を、慌てて3人が追った。
上へ飛ぶと、大きな滝が見える。
蓮はいつの間にか解放をしていて、
まるで美しく気高い龍のようだった。
まるでではない。彼女は龍鬼族の次期族長となる器だ。
水と一心同体のように触れ合う姿を見て、クロエは美しいと思った。
何分か経つと蓮が戻ってくる。
「この美しい自然を壊すものは、
誰だろうと許さない。」
蓮はふっと笑みを零した。
「協力するわ。」
ビアンカは、思わずクロエに抱きつく。
「やったわ!クレア、貴女のおかげよ!」
『そんな!私は何もしてないよ。』
水の部族は穏やかで、争いごとを好まない。
意志も硬く、簡単には納得しないのだ。
クロエ達は、もとの屋敷に戻るとすっかりと打ち解けた様子で話していた。
「クレアは魔法術の天才だとか。
お手合わせ願えませんか?」
『と、とんでもない。まだまだ未熟だよ。』
瑞は、クロエの手を取り立ち上がらせる。
「あらあら、すっかり瑞に気に入られたのね。」
「瑞は昔から頑固だわ。」
クロエは実際のところ、魔法を使いたい気分だったので、あまりやりたくないとは言わない。
「ここは、訓練室として使っています。」