太陽と月の後継者
「クレア、帰るね。」
あの後、酷い吐き気を訴えたクロエ。
今はひとりにしてあげようと配慮し
部屋のソファーに座らせて、
そっとしておくことになった。
部屋を出ていったと同時に。
クロエはアジトへループした。
異変に気づいて、リオやヨウテス達はクロエの部屋へ入った。
部屋には誰もいない。
たった今、
彼女を置いて出たばかりなのに。
「クレア…何処に行ったの。
やっぱりひとりにするのは危険だったわ。」
「クレアが何をするかなんてわからないよ。
今までもそうだった。
レオン様は、クレアの中にあった境界線を越えてしまったんだ。」
項垂れるビアンカをリオが宥める。
ヨウテスは、ルカがいない事に気付いた。
(ルカも、そういうやつだよな。)
ヨウテスは心の中で呟くのだった。