太陽と月の後継者
あれから数ヶ月経ち、今は夏の最盛期。
クロエは現実をしっかり受け止め、龍鬼の瑞に魔法や体術を習い今では0の組織でクランに継ぐ実力者となった。
今日はビアンカ、リオ、ヨウテス、
ルカ、レイの6人でキルの家へ来ている。
“話したいことがある”とのことだ。
朝から目が怖いビアンカとリオを気にするクロエ。
あの後レイとは何ともなかったように話している。あの出来事については6人の中では誰も口にすることはなかった。
天羽の事は、ビアンカ、リオ、ヨウテスのみが知っている。
リオ、ヨウテスが知っている事はクロエは知らない。
『ここかな?』
普通の貴族の屋敷と言っては失礼だろうが、今まで六大貴族の屋敷や城を見てきたクロエにとって驚くほどの大きさでもなかった。
だが、一般人からみればかなり広い。
ーギィイイイ
流石吸血鬼の館
不気味に音を立て、勝手に開いた。
ーガシッ
突如、クロエの両サイドの腕にリオとビアンカの腕が回る。
『な、なに』
瑞の特訓のせいか、咄嗟に手を叩きそうになったが思いとどまる。
「「なんにも」」
美少女と美少年に腕を引かれるのは恐れ多い。
クロエは変な汗をかいた。