太陽と月の後継者


「みんな!来てくれたんだね。」

サラサラとしたダークブラウンの髪、
赤に底光りする瞳。

陶器のような肌を持った
幼さの残る顔を出す。

「キル!久しぶりだなっ!」

ヨウテスは、この前の事情を知らず
脳天気に挨拶を交わした。

そんなヨウテスの足を、
ビアンカはヒール部分で踏む。

「な、なにすんだよ」

「…むかつくのよ」

何とも理不尽なことを言われ、
ヨウテスは眉間に皺を寄せた。

「クスッ…上がってよ。

話したいこと…言うから。」

足音もなくその場を去るキルを慌てて追いかけるクロエ達。

レイとルカは別の部屋へ案内された。応接間に入るなりいきなり頭を下げられる。

「ごめん!」

身構えていたビアンカとリオは拍子抜けしたようだ。

「俺、天羽が欲しくて大切なクレアの友達に酷いことをした。」

『え…?

なんでキルが……』

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