太陽と月の後継者
思わず駆け寄って抱きつくキル。

「よかった…よかった!!

俺には、もうお前しかいないんだ。

……消えないでくれ。」

ラルは、現実を受け入れたように目を閉じてキルを抱きしめ返した。

そっと部屋を抜け出すクロエ達。

「もういいの?」

「結局、いいやつだったねー。」

『いいの』

部屋に放置されていた
レイとルカを迎えに行く。

『あれ、ルカは?』

「用事思い出したって帰っちゃった。

…キルはもういいのか?」

『うん、帰ろ。』

お礼はいらない。

一線を引いたように、
クロエは屋敷をあとにした。

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