太陽と月の後継者
その一言で、珍しく町をのんびり歩くクロエ達。町の人達は、殆ど地の部族の民族衣装を着ている。
改めて六大貴族の凄さを感じた。
「あそこに大きな森が見えるでしょ?
あれがクラビアン家の領地なんだ!」
広大な自然
この国に広がる大きな森。
“地は命を与える”
この国に伝わる古記。
『あ…』
オレンジ色に染まる空。その中を、真っ赤な炎を纏った大きな鳥が飛ぶ。
『綺麗…』
「!!フェニックスだ。」
「嘘っ、本物なんて初めて見たわ!」
そんな会話をしているリオに聞く。
『フェニックスって…?』
「知らないの!?
神話に登場する鳥で別名“不死鳥”
あの鳥は、クロエに仕える有名な鳥なんだ。」
言ったそばからビアンカ達は反応した。
(もしかして、クレアを…?)
そんな心情を知ってか知らずか、
『不死鳥…か』
熟、私に似ている。
憎たらしい…けれども愛らしい。
とクロエは思った。
その鳥と一瞬、目が合ったかのように感じる。
『!…行こっ』
「…」