太陽と月の後継者
綺麗な眉を八の字に曲げる。
相変わらずの美しさ。
誰しもが認める、
世にいう絶世の美女。
弟の瑞も例外ではない。
「クレア、今日もとびっきり可愛いわ」
すっかり気に入られたクロエは、
頭をくちゃくちゃと撫で回される。
「…姉さん」
瑞は呆れた目で、ビアンカ達は驚いたように見つめる。
「あら、勿体ない。せっかくこんな綺麗な髪をしているんだもの。結ってあげるわ。
ビアンカもあそこに座って。」
木下にある大きな切り株を指し示す蓮に従うふたり。
五分もかからぬうちに、髪の毛を結い上げた。
『す、凄い』
その手際の良さはすばらしいもので皆が賞賛した。
いつの間にか集まった観衆達も、
驚きの声を上げる。
女の鏡とも取れる蓮は驕り高ぶることなく笑った。
「…料理だけは壊滅的ですが。」
瑞のボソリと呟いた言葉に、その場は一瞬固まる。
「瑞?」
にっこりと笑っているがかなり怖さだ。
「なんですって?」
大盛り上がりの会場の一部が凍る。
…
…
ルカは例外だが。
そんなピリピリとした雰囲気の中、
可憐な可愛らしい声が響く。
「クレアっ」
その声に救われたかのように、皆は息を吐いた。
蓮は気が削ぐれたようで、
「だれ?」
とキョロキョロしている。
『わっ!』
ぎゅっと締め付けられるような感覚がクロエを襲った。
否、実際には抱き着かれているのだが。
声の主は想像以上に馬鹿力の持ち主なのだろう。
「クレアーっ」
『ビ、ビオラ、く、ぐるじいっ!!』
そう、声の主はビオラ。
白い毛をふわふわとしながら笑顔を見せた。
「ごめんなさい。
つい力が入っちゃって…。」
(これは“つい”と言えるレベルなのかな?)
と心の中で突っ込むクロエ。
瑞はクスッと笑った。
「クレアもまだまだですね。」
『うっ…』
そんなことをよそに、ヨウテスはビオラに話しかけた。
「ビオラ…?」
「ヨウテス!久しぶりね。」
可愛らしくヨウテスに抱きつくビオラはなかなかの無自覚さだ。
ヨウテスは顔を真っ赤にしてパニックを起こしている。
「あらあら、可愛らしいペアね。」
そう言う蓮の言葉に対しても真っ赤に顔を染めた。皆は微笑ましくふたりを見つめる。
周りの反応からしても、
わかることがひとつ。
“ヨウテスとビオラは公認の両片思い。”
「ビオラ、そんなにはしゃいで…。」
兄であるライトが顔を出した。
妹思いの彼でも、ふたりは認めざる負えないようだ。
『ライト、久しぶり。』
「そうだね。
…少し、話さないかい?」
少し離れた森の奥を指さすライトにクロエは頷いた。
相変わらずの美しさ。
誰しもが認める、
世にいう絶世の美女。
弟の瑞も例外ではない。
「クレア、今日もとびっきり可愛いわ」
すっかり気に入られたクロエは、
頭をくちゃくちゃと撫で回される。
「…姉さん」
瑞は呆れた目で、ビアンカ達は驚いたように見つめる。
「あら、勿体ない。せっかくこんな綺麗な髪をしているんだもの。結ってあげるわ。
ビアンカもあそこに座って。」
木下にある大きな切り株を指し示す蓮に従うふたり。
五分もかからぬうちに、髪の毛を結い上げた。
『す、凄い』
その手際の良さはすばらしいもので皆が賞賛した。
いつの間にか集まった観衆達も、
驚きの声を上げる。
女の鏡とも取れる蓮は驕り高ぶることなく笑った。
「…料理だけは壊滅的ですが。」
瑞のボソリと呟いた言葉に、その場は一瞬固まる。
「瑞?」
にっこりと笑っているがかなり怖さだ。
「なんですって?」
大盛り上がりの会場の一部が凍る。
…
…
ルカは例外だが。
そんなピリピリとした雰囲気の中、
可憐な可愛らしい声が響く。
「クレアっ」
その声に救われたかのように、皆は息を吐いた。
蓮は気が削ぐれたようで、
「だれ?」
とキョロキョロしている。
『わっ!』
ぎゅっと締め付けられるような感覚がクロエを襲った。
否、実際には抱き着かれているのだが。
声の主は想像以上に馬鹿力の持ち主なのだろう。
「クレアーっ」
『ビ、ビオラ、く、ぐるじいっ!!』
そう、声の主はビオラ。
白い毛をふわふわとしながら笑顔を見せた。
「ごめんなさい。
つい力が入っちゃって…。」
(これは“つい”と言えるレベルなのかな?)
と心の中で突っ込むクロエ。
瑞はクスッと笑った。
「クレアもまだまだですね。」
『うっ…』
そんなことをよそに、ヨウテスはビオラに話しかけた。
「ビオラ…?」
「ヨウテス!久しぶりね。」
可愛らしくヨウテスに抱きつくビオラはなかなかの無自覚さだ。
ヨウテスは顔を真っ赤にしてパニックを起こしている。
「あらあら、可愛らしいペアね。」
そう言う蓮の言葉に対しても真っ赤に顔を染めた。皆は微笑ましくふたりを見つめる。
周りの反応からしても、
わかることがひとつ。
“ヨウテスとビオラは公認の両片思い。”
「ビオラ、そんなにはしゃいで…。」
兄であるライトが顔を出した。
妹思いの彼でも、ふたりは認めざる負えないようだ。
『ライト、久しぶり。』
「そうだね。
…少し、話さないかい?」
少し離れた森の奥を指さすライトにクロエは頷いた。