太陽と月の後継者
目の前に不思議な青い目の少年が現れたのだ。黒に青が混じった髪で眉目秀麗な美少年。
背はルカと同じくらいで何処か大人びている雰囲気を纏っていた。
突然現れた彼にリオは身構える。そんな彼の前にルカは手を出した。
「こいつは大丈夫だ。」
リオは渋々体勢を戻した。
「お前、何者だ...?」
何故か、ルカではなく相手の少年が質問をした。
「俺の気配を読むなんて五大魔法使いでも難しい。...まぁそれはまたの機会に聞こう。お前達はクレアのことを探しているのだろう?俺が連れて行ってやる。」
切れ長の瞳は二人をとらえて手を伸ばした。
「何でクロエを「他に連れて行きたい奴らがいるんだ。」」
リオは言葉を遮られ不審に思ったが、ルカのことだから何か考えがあるのだと悟った。
「いいだろう...今すぐ連れてこい。」
そう言われたルカは何かを唱えた。
数秒後に、上からビアンカとヨウテスが降ってくる。
それにはリオも少年も、ビアンカ達も驚いた。
「お前...本当に何者だ?」
少年が言った言葉にかぶせるように、
ビアンカも声を上げる。
「いった...何なのよ。」
今いち状況の読めない二人をおいて、ルカと少年の話は進んでいく。
リオは簡潔に事情を話した。
「名前は?」
少年が聞くとルカは答える。
「ルカ・オスロ」
少年の手を全員がつかむと同時に笑いながら少年は言った。
「シルバーだ」
次の瞬間、全てが大きく動き出した。