太陽と月の後継者


目の前に不思議な青い目の少年が現れたのだ。黒に青が混じった髪で眉目秀麗な美少年。

背はルカと同じくらいで何処か大人びている雰囲気を纏っていた。

突然現れた彼にリオは身構える。そんな彼の前にルカは手を出した。

「こいつは大丈夫だ。」

リオは渋々体勢を戻した。



「お前、何者だ...?」

何故か、ルカではなく相手の少年が質問をした。

「俺の気配を読むなんて五大魔法使いでも難しい。...まぁそれはまたの機会に聞こう。お前達はクレアのことを探しているのだろう?俺が連れて行ってやる。」

切れ長の瞳は二人をとらえて手を伸ばした。

「何でクロエを「他に連れて行きたい奴らがいるんだ。」」

リオは言葉を遮られ不審に思ったが、ルカのことだから何か考えがあるのだと悟った。

「いいだろう...今すぐ連れてこい。」

そう言われたルカは何かを唱えた。

数秒後に、上からビアンカとヨウテスが降ってくる。

それにはリオも少年も、ビアンカ達も驚いた。

「お前...本当に何者だ?」

少年が言った言葉にかぶせるように、
ビアンカも声を上げる。

「いった...何なのよ。」

今いち状況の読めない二人をおいて、ルカと少年の話は進んでいく。

リオは簡潔に事情を話した。

「名前は?」

少年が聞くとルカは答える。

「ルカ・オスロ」

少年の手を全員がつかむと同時に笑いながら少年は言った。

「シルバーだ」

次の瞬間、全てが大きく動き出した。

< 173 / 220 >

この作品をシェア

pagetop