太陽と月の後継者
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翌日の朝、クロエは熱風と共に飛び起きた。

見ると、マングローブは燃えて宿り木を失った精霊達は虚しく消えていった。

キルアの背中にクロエは乗っていて目を覚ます。

『どうしたの...!?森が...っ。』

昨日まで様々な美しい生き物が行き来していたこの森は豹変して火の海と化した。

「襲撃された。

死んだ。

仲間、死んだ。」

悔しそうに声を出すキルア。ループをすればすぐに誰かにしっぽを掴まれる。
一刻も早く戻って仲間を救いたいはずなのにクロエを優先したのだ。

「覚悟してた。

クロエ様傷つく。

皆嫌

皆で決めた。」

『ありがと...っ』

クロエは後ろを振り返る。

シルバーやゲーテはその後を追って、エルは抗戦しながら追ってくる。

燃えゆく森の末路を目に刻むこと、それが彼女にできる最大の償い。

見えなくなる頃、断末魔や人のせせら笑う声が聞こえた。

その音が彼女の頭の中に絶えず響いていた。



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