太陽と月の後継者

その出来事は一瞬だった。

理性を失ったリオの後ろに神官が迫り背中から斬りかかる。

それは見事的中し音を立ててリオは崩れ落ちた。

周りを見ると同じような光景が広がっている。

ヨウテスは脇腹を押さえてビオラはそれを支えていた。

システィスや蓮、瑞、ライトは立っているが疲労が見え隠れしていた。

何時も魔獣を相手をしてもここまで疲労は来ない。

だが今のように立て続けに魔獣が出現することで疲労は着実に蓄積されている。

『レトっ!!!』

近くを見ると何十人もの神官が彼を囲んでいる。

どうやら彼の時の魔法に気付きそれを封じているのだろう。

荒い息を繰り返す彼は何時もの彼ではない。

何をされた__?

何があった__?

何故私をここまで傷つける___?

クロエの止めどない疑問に答える物はいない。

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