太陽と月の後継者

そんな様子を見てレオンはまた大きく笑った。

戦士達も、クロエ達も、0の仲間も全員その状況に息をのんだ。

そこに進むことは出来なかった。

その非道な次の言葉に全員が言葉を失った。

「クックック....ハハハハハハッ!!!

人間というのは実に愚かだな。

アキ、我の可哀想な娘よ。

彼は、まだ生きて居るぞ。

全ては我のためについた嘘だ。

それをまんまと信じたお前は、

大切な仲間の愛しい人を殺したのだ....!」

アキは剣を地に落とした。

そして自分のしてしまったことに涙を流した。

そんな彼女を見て彼は笑う。

そのまま淡々と顔色ひとつ変えずに、レトを刺したその剣で実の娘、アキを斬った。

「クロエ......ごめ...なさい」

クロエは抜け殻のように二人を見た。

_____レトがいない

_____ずっと助けてくれた彼は

_____支えてくれた姉のようなアキは

_______もう……

憎たらしく男が笑う。

クロエは限界だった。

『全部、壊れてしまえば良いのに。』

小さな呟きだった。

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