太陽と月の後継者


____________________
____________
______

「おにいちゃん待ってー!」

「はやくはやくっ」

ざわざわと賑わう街。今日はアース王の誕生祭。

「二人とも早すぎるわ。」

「ビアンカ遅いよ。」

賑わう中に三人の姿があった。

「見て!不死鳥だ!」

リオのその言葉に二人は顔を上げる。

「不死鳥なんて初めて見た。」

「そうだね」

静かに不死鳥を見上げていると、
ビアンカが口を開いた。

「私、初めて見た気がしないわ。」

不思議な感じがすると彼女は言った。

その言葉に栗毛の彼と黒髪のさっぱりした青年が頷く。

「そうだね」

その隣を二つの影が横切った。

白金と白銀の髪が綺麗に揺れている。

三人は二人を何処か懐かしい瞳で見た。

初めてのはずなのに、とそろって首を傾げる。

そう、彼らは


“太陽と月の後継者”






___で、私は誰かって?


私はクロエの母であり前太陽の女神

そして今は終末の女神でもある









名を









エミリアという














「ねぇ、クロエってだーれ?」




幼い子供のフィルが母親に聞いた。




「それはね...

太陽と愛の女神、クロエ。」








______END______

< 219 / 220 >

この作品をシェア

pagetop