太陽と月の後継者
2章~ミシェラード学園魔法大会~
1節 集め物
「全員揃っているな。」
教室にヒルダの声が響く。
「今日はみんなもよく知っていると思うが、2週間後に行われる魔法大会について説明する。」
『魔法…大会?』
「そうだ、もっとも、お前は優勝候補に上がっている。よく聞け」
そう、クロエは首席でこの学園に入り、属性のこともあってか、先生達の注目や生徒達からの憧れの視線を一身に浴びていた。
「魔法大会は、Sクラスや学年は関係なく行われる。
まず、1年生の中で予選を行い4名の代表者を出す。他の学年も同様だ。その勝ち抜いた各4名のみが、3学年での勝負を認められる。
その中で1位に輝いたものが、上級魔法使いの称号をえられるのだ。」
“上級魔法使い”
それは、世界的に見ても約5000人という貴重な人材だ。
階級としては、高い順に国王や神官、五大魔法使い、上級魔法使い、貴族、一般市民、奴隷。
階級が高くなるほど、人数も少なくなっている。五大魔法使いは上級魔法使いの中でも優れた5人の魔法使いをさしている。
上級魔法使いは、五大魔法使いに最も近い存在だ。そんな上級魔法使いは、世界中の人々の憧れの的となっている。