太陽と月の後継者
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「えー。
続きまして本日最後の試合。
クレアVSユノン&サン!
それでは
登場していただきましょう!!
クレア・フルームと…ユノン&サンっ!!」
ーワァアアア
準々決勝最後の試合となった午後。会場は、先程までの戦いのことで頭がいっぱいだった。
それは、アイリスとMichiru
ルカとレイの争いのこと。
生徒会長は、絶対的勝利が期待されている天才児だった。
それなのにも関わらず、開始5分で、しかもわずか一撃で、敗れたのである。
そして、ルカとレイの争いは、ルカの瞬殺。
前と同じ戦法で恐らく、
時の魔法を使い勝利したのであろう。
それを初めて目の当たりにした観客は、大騒ぎだ。
「ユノンー、どう思う?」
「どう思うって…
勝つしかないでしょ♪」
第5試合が始まり、
様子見をしている両者。
「ねぇやらないの?」
「やらないのー?」
ユノンとサンは双子ならではの会話テクニックで軽くクロエを挑発する。
『そっちはどうなの?』
軽くクロエがにやりと笑うと、双子はいとも簡単にその挑発に乗った。
「「じゃあこっちから!」」
サンとクロエは剣を胸の前に掲げ、そして同時に舞い始めた。
ふたりの動きは、本当に息ぴったり
“一心同体”とはまさにこのことか とクロエは心の中でつぶやく。
「ー炎の舞ー」
「ー水の舞ー」
ユノンとサンがひとつ舞うごとに
炎と水が周りに飛び散る。
不思議なことに、
炎と水は打ち消し合うことはなく
空の彼方まで伸びている。
そしてそのまま、クロエはその渦の中に飲み込まれた。
炎と水の渦の中は、
まだ少し狭いスペースがあり
クロエはその中心に立っている。
サンは炎の中で、
ユノンは水の中で剣を振るう。
「さぁ」
「さぁ」
「「どうするー?」」
これぞ奇跡のコンビネーション。
ー炎水の檻ー
この双子の得意技。
『
ー黒龍ー
全てのものを飲み込め。』
黒龍は、神に使える龍を召喚する技。
そんなものを扱えるもの
は滅多にいない。
昨日の予選でビアンカに見せた技と同じだ。
神の龍は炎水の檻をいとも簡単に吹き飛ばした。
「「うそっ!?」」
双子のコンビネーションが乱れた瞬間をクロエは見逃さない。
「ー天使の詩ー」
そうクロエが唱えると、何処からとなく歌声が聞こえてその美しい音色でふたりは眠りに落ちた。
「只今の試合。
クレア・フルームの勝利!!
そして、
明日の準決勝進出者が
決まりましたー!」
すると、クロエのいる闘技場に
続々と準決勝進出者が入場してくる。
「1年生の準決勝進出者は、
リオ・クラネス
ルカ・オスロ
クレア・フルーム
いやー今年の1年生は優秀!!
しかも美形…
神様はなんて不公平なんだ!」
どっと笑いが起こる会場。
今年の司会者はなかなかのベテランらしい。
「続いて2年生!
ジン・アクロス
そして、3年生は
預言者Michiru!!
うーむ、
Michiruはともかく
女子はクレアだけ!
紅一点…熱い、暑苦しい。いや、まぁみんな美形だから許せる…。」
またまた会場は笑いに包まれる。
クロエもぷっと笑いをこぼした。
「それではみなさん!明日の試合が楽しみですねー。見たい人はさっさと寝て早起きするべし!
ではでは、また明日
準決勝でお会いしましょうー!!」
ーワァアアア
明日は、いよいよ準決勝。準決勝を突破した者は決勝戦へ…。
明日で全てが決まる。
クロエは白いワンピースの裾を靡かせて空を見上げた。
「熱い…。」
クロエは、ドクンドクンと波立つ熱い血に、
なんとも言えない気持ちでいた。
否
“何か”が起こる。
その何かが不幸と出るか幸いと出るかはまだわからない。
だがそれすらも楽しみだと感じる自分がいるのを、クロエは恐れていた。
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「えー。
続きまして本日最後の試合。
クレアVSユノン&サン!
それでは
登場していただきましょう!!
クレア・フルームと…ユノン&サンっ!!」
ーワァアアア
準々決勝最後の試合となった午後。会場は、先程までの戦いのことで頭がいっぱいだった。
それは、アイリスとMichiru
ルカとレイの争いのこと。
生徒会長は、絶対的勝利が期待されている天才児だった。
それなのにも関わらず、開始5分で、しかもわずか一撃で、敗れたのである。
そして、ルカとレイの争いは、ルカの瞬殺。
前と同じ戦法で恐らく、
時の魔法を使い勝利したのであろう。
それを初めて目の当たりにした観客は、大騒ぎだ。
「ユノンー、どう思う?」
「どう思うって…
勝つしかないでしょ♪」
第5試合が始まり、
様子見をしている両者。
「ねぇやらないの?」
「やらないのー?」
ユノンとサンは双子ならではの会話テクニックで軽くクロエを挑発する。
『そっちはどうなの?』
軽くクロエがにやりと笑うと、双子はいとも簡単にその挑発に乗った。
「「じゃあこっちから!」」
サンとクロエは剣を胸の前に掲げ、そして同時に舞い始めた。
ふたりの動きは、本当に息ぴったり
“一心同体”とはまさにこのことか とクロエは心の中でつぶやく。
「ー炎の舞ー」
「ー水の舞ー」
ユノンとサンがひとつ舞うごとに
炎と水が周りに飛び散る。
不思議なことに、
炎と水は打ち消し合うことはなく
空の彼方まで伸びている。
そしてそのまま、クロエはその渦の中に飲み込まれた。
炎と水の渦の中は、
まだ少し狭いスペースがあり
クロエはその中心に立っている。
サンは炎の中で、
ユノンは水の中で剣を振るう。
「さぁ」
「さぁ」
「「どうするー?」」
これぞ奇跡のコンビネーション。
ー炎水の檻ー
この双子の得意技。
『
ー黒龍ー
全てのものを飲み込め。』
黒龍は、神に使える龍を召喚する技。
そんなものを扱えるもの
は滅多にいない。
昨日の予選でビアンカに見せた技と同じだ。
神の龍は炎水の檻をいとも簡単に吹き飛ばした。
「「うそっ!?」」
双子のコンビネーションが乱れた瞬間をクロエは見逃さない。
「ー天使の詩ー」
そうクロエが唱えると、何処からとなく歌声が聞こえてその美しい音色でふたりは眠りに落ちた。
「只今の試合。
クレア・フルームの勝利!!
そして、
明日の準決勝進出者が
決まりましたー!」
すると、クロエのいる闘技場に
続々と準決勝進出者が入場してくる。
「1年生の準決勝進出者は、
リオ・クラネス
ルカ・オスロ
クレア・フルーム
いやー今年の1年生は優秀!!
しかも美形…
神様はなんて不公平なんだ!」
どっと笑いが起こる会場。
今年の司会者はなかなかのベテランらしい。
「続いて2年生!
ジン・アクロス
そして、3年生は
預言者Michiru!!
うーむ、
Michiruはともかく
女子はクレアだけ!
紅一点…熱い、暑苦しい。いや、まぁみんな美形だから許せる…。」
またまた会場は笑いに包まれる。
クロエもぷっと笑いをこぼした。
「それではみなさん!明日の試合が楽しみですねー。見たい人はさっさと寝て早起きするべし!
ではでは、また明日
準決勝でお会いしましょうー!!」
ーワァアアア
明日は、いよいよ準決勝。準決勝を突破した者は決勝戦へ…。
明日で全てが決まる。
クロエは白いワンピースの裾を靡かせて空を見上げた。
「熱い…。」
クロエは、ドクンドクンと波立つ熱い血に、
なんとも言えない気持ちでいた。
否
“何か”が起こる。
その何かが不幸と出るか幸いと出るかはまだわからない。
だがそれすらも楽しみだと感じる自分がいるのを、クロエは恐れていた。