太陽と月の後継者


「よーし、じゃあ早速クレアちゃんには仕事が待ってるよー!

シルバーは国王の護衛、
アキは国王の右腕をスパイ、
アリスも貴族のスパイ、
コウは隣国の姫の護衛、
というような感じで
他の隊とは全く違う
皆それぞれの仕事がある。

そして、
仕事に合うように制服はない!

警備隊は表。
特攻隊、頭派隊は裏。
死神隊は裏の裏。
0は裏の裏の裏の
支配を務めていて、一番リスクが大きいんだ。くれぐれも慎重に行うこと。

ここまでいい?」



『はい』



「0は常に死と隣り合わせだ。」

クランは一瞬寂しそうな顔をすると、
次には目を輝かせ、
大きな窓の前にあるデスクの
山積みの書類の中から
一枚の紙を取り出す。

「クレアちゃんの初仕事はー…

コウと同じ隣国。
国王のスパイだ。」

にっこり笑うクランに、
シルバーは焦ったようにいう。

「無茶だ!そんな大変で荷が重いものを新人にやらせるなんて!」

「…シルバー

俺達はなんだ?」

クランは凍てつくような瞳で、
シルバーを見つめる。

「…っ

極秘組織、0です。」

シルバーは、俯いて拳を震わせる。

「そうだ
俺は初仕事で人を殺めた。

一つだけ忠告しよう。

“誰も信じるな”。

クレア、やってくれるね?」

『…はい』

クレアは、
全員人を殺めたことがあると
確信を持った。

返事をきき、クランは目を輝かせるとクレアの肩を押した。

「よかったー!
隣国の国王はかなりの面食いらしいし、

早速、彼好みの衣装を渡そう。

アキも来てくれ。」

クランに連れられて部屋をでるクロエを、
じっとシルバー達は見ていた。

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