太陽と月の後継者
「行きましょう。」
先程までわからなかったが、コウはクロエより10cmほど身長が高く170cmはありそうだ。
座っているとそう見えないためきっと脚が長いのだろう、クロエに背を向けて歩き出す。
『?どこへ』
「クランからの依頼、ですよ。」
あぁ、そうか
とクロエは納得する。
隣国、ジャータ国の王の懐に入り込みその裏側を探る。
それは=男を知ることとなるのだが、
クロエはまだ気付いていない。
隣国の姫の護衛をしているコウとは同じ仕事場で安心するクロエ。
だが、その安心も一瞬でなくなる。
「仕事場では、ぼくらは初対面です。
邪魔はしないでくださいね。」
何処か突き放されたような気分になるクロエは、寂しさを覚えた。