太陽と月の後継者
結局全員が日曜日に行くこととなる。
昼休み、クロエはビアンカを誘って珍しく別々に中庭で昼食を取っていた。
「話って、何?」
『朱雀族について、
聞きたいことがあるの。』
ビアンカの動きがピタリと止まった。
「…いいわ。クレアの頼みだもの。」
ビアンカは重々しく口を開いた。
「朱雀族は今、六大貴族の中でも孤立しているわ。理由は、争いを起こそうとしているから。
朱雀族は神官と手を組んで、邪魔なものを排除しようと企んでいるの。
六大貴族すらも乗っ取るつもりよ。
最近分かってきたことなんだけど、お兄様を操っているのも朱雀族らしいわ。」
『朱雀族…
それじゃ、リオやヨウテス達も危ない。』
「そうね、でもあの3人は幼馴染みでしょ?変に刺激をすれば面倒事になるわ。」
ビアンカは、クロエを連れて立ち上がる。
「でも、リオ達も馬鹿じゃない。
ちゃんと政治の事は分かっている筈よ。
クレア、龍鬼族の屋敷に付いてきて。」
クロエは目を丸くした。
六大貴族同士の交流に割り込んでいいのか?と不安になる。
「大丈夫よ。龍鬼族は妖精族と並ぶくらいに穏やかな部族なんだから。」
妖精族のことを思い出したクロエはほっとする。
『わかった!じゃあ、私の手を握って。』
ビアンカは首を傾げるが、すぐに意図を理解したのか手を握った。
『ーループー』