りんごのほっぺ



下校していく生徒達の好奇の目が痛い。那智さんガンつけて歩いてるし。


数分後。新校舎から旧校舎に繋がる通路まで案内すると、じゃ、私はここで。と即刻立ち去ろうとした。



が。



「何処行くんだよ。3年G組まで案内しろって言っただろうが」



何でそこまで案内しないといけないんだよ!旧校舎まで来たらさすがに分かるだろ!

なんて言葉を言える訳がなく。



「…はぁぁい」



消え入るような声で返事をして案内を再開させた。



旧校舎には3年生のクラス、7クラスと、職員室やら美術室やらの昔ながらの古びた教室しか残っていない。



その中でもG組は7番目のクラスなので教室が一番端っこにあった。



もうすぐG組につくという所で後ろの那智さんが、なあ、と話しかけてきた。



ピタリ、止まる足。恐る恐る振り返ると、目の前に那智さんの顔があって。

本日2回目頂きました。那智さんの超どアップ。



「さっきから顔赤ぇけど熱でもあんのか?」



カアアアアアアアアア!

先程よりも更に酷く、露骨に、頬に朱を注がせた。



「あぁ、それそれ、だから熱でも…」

「…っなんでも、ないんです!見ないで下さい!」



那智さんから逃げるように顔を隠した。

もう泣きそうだった。ていうかちょっと涙が出てた。生き地獄だ。
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